第1回[座談会]静岡だしのお椀、静岡だしのおでん

作:一木 敏哉(懐石 いっ木)

お待たせしました!まずはこのお椀を召し上がってみて下さい。

(一同)うん、この香りは…お茶ですねー!

はい、私の料理のテーマは「お茶」であると同時に「だし」です。料理を構築する上で一番基本になる部分である「だし」にフォーカスして新しい「静岡だし」を提案したいと思います。

一般的に日本料理の「だし」って昆布とカツオ節の組み合わせが定番ですよね。

でも静岡県には昆布はありません。そこで、お茶に含まれるグルタミン酸とカツオ節のイノシン酸を合わせ「静岡だし」を考案しました。玉露で淹れたお茶にカツオ節を足しただけと作り方はシンプルですが、十分に味のボリュームを感じて頂けると思います。

椀種に入っている桜海老の真丈や椎茸も出汁と上手く馴染んでますね。

椀種も全てお茶で炊いてるんですよ。桜海老とお茶っていうのも静岡らしい組み合わせだなと思って。そして、この「だし」にはもうひとつポイントがあって、皆さん水出しのお茶を出汁につかってましたけど、私のは水出しではなく氷出しなんです。

氷出し?氷温で旨味を抽出してるんですか?

はい、氷出しにする事で苦味が出る前に旨味だけを抽出する事が出来て、雑味なくスッキリした味わいになるんです。

なるほどねー。ただ、すごく繊維な旨味なので高級な料理屋さんにはピッタリだけど、原価の問題などはどうなんですか?

そうですね。今回は完成度の高いものを提案したかったので最高級の玉露を使っていますが、実はこれをアレンジして、広く一般の家庭でも作って頂けるものも用意しました。こちらです。「静岡だしのおでん」出汁の作り方は先程と同じですが、茶葉を煎茶にして、中の具は大根、ゴボウ巻きやコンニャクといった手に入りやすいものを使いました。召し上がってみて下さい。

作:一木 敏哉(懐石 いっ木)

うん、お茶の旨味と一緒に食材から出る甘味も引き立ってますね。

お茶って野菜の旨味を引き出す効果もあるのかな?

私も作っていて思ったのですが、これ実は調味料は醤油を4%程入れただけなんです。つまり、大根などの素材の甘味を引き出しつつ、お茶の風味も美味しく感じられる様に仕上がるんです。

これなら料亭や割烹のようなお店でコースの一品としておでんを供すことも出来るし、家庭で好きな具材を入れてそれぞれのおでんの味を楽しむことも出来ますね。

静岡の食文化として家庭でも広く親しまれるようになれば、何か静岡ではおでんをお茶で炊くらしいよって、「ケンミンショー」で紹介されるかもしれない。(笑)

いいね。俺はその番組を見ながら酒を飲む!(笑)

(一同)(笑)

というわけで、静岡県の名産品である「お茶」をテーマに静岡の食文化の新たな可能性を提案してみました。また次回が楽しみですね!

一木 敏哉
懐石 いっ木 店主
静岡県浜松市中区田町329-8

望月 雄介
駿河の味処 富士屋 店主
静岡県静岡市清水区殿沢2-1-10

川上 哲宏
彩席 かわかみ 店主
静岡県浜松市中区肴町318-16 1F

内海 亮
つま恋リゾート 彩の郷 和食副料理長
静岡県掛川市満水2000

深田 浩介
和食処 なかや 店主
静岡県磐田市上野部1649-1

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